冊封使が食べなかった高級食材
琉球では王が代替わりすると、中国に使者を派遣して
新しい王を認証してもらう儀式がありました。
これを冊封と言い、500名からの中国の使者が
海を越えて琉球に来て、半年ほど滞在し、
その間に、皇帝の勅を持ってきて新国王を承認します。
王の一世一代のセレモニーを飾る為に
貧乏な琉球も気合を入れて借金をしてまで
冊封使をもてなしますが、そのご馳走の中に
どうしても中国人が手をつけない食材がありました。
それは今でも高級食材として知られる伊勢海老です。
理由は伊勢海老のフォルムが龍を連想させて
気味が悪いからでした。
なので中身は琉球人が食べ、伊勢海老の殻を残して、
そこで蝋燭を灯してキャンドルサービスにすると
中国人は、これをとても喜んだといいます。
元々赤を縁起のよいものとする中国では、
龍のような姿の伊勢海老の赤い殻の中で輝く蝋燭は
福徳を招くものとしてイメージされたからかも知れません。
また、飲み物では、ウンシャクと呼ばれる
ヨーグルト風味の濁酒を中国人は飲みませんでした。
理由は、これが口噛み酒で、人が噛んだ穀物を
容器に吐き戻して発酵させるモノだったから
「ご心配なく、身を清めた巫女が吐き戻した
穀物で造られておりますので」
などと言われて勧められても
(そういう問題じゃねーよ、、人が噛んだモノを
吐き戻したってのが不潔で嫌なの)
という事で、ほとんどの中国人が飲みませんでした。