庶民にも身近だった進貢貿易
唐船どーい という歌は、中国からやってくる船を歓迎して、
庶民が走って那覇港に駆けつける様子をあらわした歌です。
そりゃあ、身内の人が無事に帰ってきたというのも
ありますから、嬉しいでしょうが、、
現代の人間から見ると、少し違和感があります。
中国から来る船って言っても、積まれているのは貴重な宝物だろう?
そんなの庶民には関係ないじゃないか・・
ところが、進貢船に満載されていたのは、宝物ばかりではなく
庶民にとっての生活必需品もあったのです。
それが上の表です、これでも、ごく一部なのですが、
線香とか、習字紙とか、油傘とか、お菓子の桔餅、
お茶、陶磁器、蛇の皮、胡椒、それから漢方薬の材料まで
庶民の暮らしに欠かせない商品が積まれているのが分かります。
船が入らないと日用品が品切れし商売あがったりですから、
進貢船が戻ると皆、「よっしゃ!」となったのは無理もありません。
200年以上の昔から中国は貿易の相手国であり、
その輸入品は琉球にとって欠かす事が出来ないものだったのです。
参考文献 豊見山和行 琉球・沖縄史の世界