自然の力を味方につけた琉球人の航海術
琉球が交易を通じて、自国を賄ったという
事は広く知られています。
しかし、どうやって、琉球人が船を動かして
縦横無尽に東アジア海域を移動していたか?
となると、説明できない人も多いでしょう。
「なんで、海に船出せば、自然に陸地に
つくんじゃないの?」
それは、間違いではありませんが、
それでは冒険航海であり商売にはなりません。
商売を成り立たせる為には、
確実に定期的に戻ってこれるという
目算が立たないと駄目なのです。
それには、二つのキーワードが必要でした。
一つは、ベルトコンベアのように海流を
繰り返す黒潮を利用する事。
もう一つは冬に吹き荒れる
季節風を利用するという事です。
琉球の船は日本に行く時には、
黒潮の流れを利用して北上し、
中国や東南アジアに行く時には、
季節風を利用して南下していました。
これらは、偉大な自然エネルギーであり、
幾ら利用しても減らないものでした。
琉球人は何万年という歳月から、
この二つの自然のエネルギーを発見
利用して、自在に海を往く事を可能にしたのです。