新しい沖縄歴史教科書を造る会

日本史の一部、地方史としての沖縄を脱却して
主体的に故郷の歴史を見て見ようというブログ

ジョン万次郎になれなかった琉球人

ジョン万次郎と言えば、漁の途中で遭難し、
アメリカの捕鯨船に助けられて通訳として
活躍した人として有名です。

しかし、この万次郎の遭難から20年後
あわや、琉球の万次郎になりかけた人がいます。


1866年(慶応2年)那覇の人、奥里は、
知りあいの小渡という男に騙されて、
奄美大島の2人の漁師に売り飛ばされます。

帰して欲しければ、
小渡に払った三百貫を返せと凄む
大島人の漁師に逆らえず、


奥里は、漁の手伝いをしていましたが、
嵐に遭難して船は転覆します。


奥里は、何とか板切れに掴まり漂流していると
そこにアメリカの捕鯨船が通りかかり
奥里は救助されました。

奥里は、捕鯨船の仕事を手伝っていましたが
琉球人の奥里には耐えられない程に、
海の上は寒く、彼の足は凍傷に罹ります。


捕鯨船は、奥里を病院に降ろしていきましたが
そこで奇跡が起きます。

何と、たまたま軍艦を買いに来ていた
幕臣の小野友五郎という人が病院に来ていて
奥里と遭遇したのです。


奥里が涙ながらに事情を話すと、
小野は、自分達の船に乗って
琉球に帰るように手配しようと言いました。


奥里の漂流は2年ほどでしたが、
その経緯はジョン万次郎のたどった経路と
良く似ています。


もし、奥里が産まれるのが20年早かったら、
或いは、彼が琉球のジョン万次郎になっていた
・・・・かも知れません。


その後の奥里さんについては一切不明です。
親戚や子供の前で自分の経験した話をしたのでしょうか?

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