首里城に漂うバラの香り
歴代宝案という琉球の外交文書に、シャム(タイ)からの贈り物リストがあります。
そこには、薔薇露水5缶という表記がありました。
これは薔薇の香水の事です、15世紀のアフガニスタンの
ヘラートという都市では薔薇の香水が特産品として、ふんだんに造られており、
そこから、中近東のカイロやアデンに輸出され、さらに東南アジアに輸出されて、
シャムにも香水が入ってきていたのです。
これは礼物として贈られたものなので、恐らくは、
琉球の王族や貴族の間では使用されていたのかも知れません。
東洋の王朝というと、線香の香りのイメージしかありませんが、
実は、首里城は薔薇の香りで満ちていたのかも知れません。