豚を中心に回る琉球エコロジー
琉球の庶民にとっての財産は、
何と言っても豚でした。
豚は暑い琉球の貴重なタンパク源であり
疲労回復のビタミンBも豊富に含まれます。
それに冠婚葬祭、全てにおいて
豚肉料理は出るので、どんな貧困世帯でも
豚は飼わなければいけなかったのです。
そんな豚は庶民の家でフールとよばれる
石造りの立派な畜舎で飼われていました。
フールは豚小屋兼トイレでもあり、
糞尿も豚の餌になっていたのです。
つまり、フールとは豚小屋兼トイレ兼
リサイクル施設でもあったのです。
最期に豚の糞尿は集められ、肥溜めで
一定期間発酵させてから畑に撒かれます。
ゴミを出さない究極の循環型社会が
琉球では豚を中心に営まれていたのです。
同じようなフールは、中国の南部、そして
東南アジア全域にあり、今でも東南アジアの
奥地には現存しているそうです。