琉球は差別語ではない
最近は琉球という言葉は
中国から付けられた屈辱的な
名前だから使うのは良くないという
根拠のない話があります。
しかし、それは悪意のある曲解であり、
そもそも琉球という名前には
悪い意味はありません。
南海に浮かぶつるつるした宝玉
というのが琉球の意味です。
中国は大抵、周辺国には蔑視した名前をつけますが
琉球は例外的に美名でした。
ちなみに、日本に中国がつけた「倭」とは、
短足野郎、小人という意味です。
さて、元々、琉球は国の名前ではなく、
領域の名前で、元の時代でも、
台湾と琉球の区別もついていない状態でした。
1372年、明が建国し、
洪武帝は琉球に使節楊載を遣わして、
挨拶に来るように国書を遣わします。
時の中山王、察度は、この申し出に
逸早く乗り泰期という家臣を遣わしました。
これにより中国の認識に
琉球=沖縄本島というイメージが確定したのです。
そして世界的にも琉球は国号になり、
外交文書の記述は琉球になります。
琉球は沖縄本島が世界にデビューした時の
記念すべき名前なのです。
決して、使ってはならないような
恥ずかしい差別語ではありません。
この楊載は、琉球に来る3年前に
日本の九州にも来ていますが、
当時の日本は南北朝の戦乱の
真っ只中で明の建国も知りません。
しかも、中国からの書状は、
かなり高圧的な態度だったので、
日本は内容が無礼だとして、
楊載達17名を捕え
その内の5名を処刑しています。
当時は琉球の方が国際情勢に敏感であり
日本は内側の争乱に明け暮れていたのです。