今と違う那覇大綱曳きの人物
那覇大綱曳きは、毎年10月に行われ
50万人の人手がある県内最大級のイベントです。
この那覇大綱引曳きの歴史は古く、
琉球国時代から、行われていました。
大綱曳きのイベントでは、東西に歴史上の
人物が現れて、見栄を切りイベントを盛り上げる
のですが、その人物は沖縄の歴史上の人物です。
代表的なものは、護佐丸と阿麻和利ですね。
そう考えると昔から、
那覇大綱曳きの登場人物は
沖縄の歴史上の人物だった
かのように思います。
ところが、実際には幕末の頃には、
那覇大綱曳きの登場人物は、
沖縄の人物ではありませんでした。
なんと、弁慶や義経のような
日本の英傑が
イベントを盛り上げていたのです。
こちらが、琉球の絵師、
泉川寛永(1767~1844)が描いた
大綱曳きの様子ですが、
左側の赤丸で囲んだ部分に
弁慶と義経が見えます。
この事はつまり、幕末の頃の琉球では、
弁慶と義経はメジャーで大綱曳きで登場しても
違和感のない知名度があった事を示しています。
海に隔てられていても、那覇のような港町では、
日本の文化が流入してくる速度は早かったようです。