尚巴志が造ったハリボテの城
琉球史上、最大にして最強の英傑と言われる尚巴志。
ところが彼は元々は、
小さな、佐敷城を拠点とする小豪族で
南山王に支配される存在でした。
しかし、流石に後に天下を獲るだけあり、
小豪族の頃から才知があります。
琉球は琉球石灰岩という石が豊富になり、
早くから石垣が発達しましたが、
幾ら、石が多くてもそれを運ぶのは、
農民の仕事であり、戦乱の最中で
大変な苦労を強いられました。
ところが佐敷の尚巴志は、
小さい勢力で農民を酷使して
石垣を造ろうとはしませんでした。
代わりに尚巴志が使ったのが、
薄い石を土塁に貼りつけた
なんちゃって石垣です。
今でいうと、モルタルにタイルを
はるようなものでしょうか?
これだと、防御力はありませんが、
遠目から見ると立派な石垣に見えました。
いわばハリボテの石垣です。
「ばれなきゃ、ハリボテも本物も変わらん」
そこには若い尚巴志の合理主義と、
天性の度胸の良さと領民を思う心があったのです。